一人暮らし

私の過去

「お前、デブ」と振ってきた先輩を見返したくて、
何より周りより醜い自分を変えたくて、

私はダイエットを始めた。

けど、母は相変わらず私にご飯を食べさせてくる。
小学校の頃の過食、高校生の頃の栄養失調。

この2つを知っている母は
「ちゃんと食べなさいよ!」
オーバーカロリーの食事を強要してきて
そのたびに、私は不機嫌になり、ときにはケンカした。

母は優しいけど、やっぱり少し神経質だった。

どれだけ食べたか、体重が減ってないか、母に監視され
やせたい気持ちを押し殺しながら、
デブな自分を鏡で見ては泣く日々だった。

そんな生活から抜け出すために、
“ちゃんと食べない”生活をするために
私は一人暮らしを始めた。

母は当然のように反対したが
懸命に説得とお願いをして、認めてもらった。

引っ越して、初めての日曜日。

買い物の為に外出すると、
春物の薄いコートを着こなしてる細い子を横目に、
醜くてスカートを履く事すらできない
自分のデブさを再認識して、悲しくなった。

けどその分、痩せモチベが上がったし、
私にとってはちょうどよかった。

それに、一人暮らしは良かった。

太りそうなものは食べずに済むし、
一食二食抜いたって誰にも文句は言われない。
おかげで、体重はどんどん落ちていった。

「運動もしなくちゃ」と思ってジムにも入会した。
大学からの帰宅後も、そんなに空腹じゃなかったら、
水だけ飲んで寝てしまおう。

そんな食事制限と運動の毎日によって
私はダイエットに”成功”していったのだった。

一人暮らしは、やっぱりやせられる。

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