地下鉄の階段での出会い

私の過去

仕事帰りのある日。

最寄りの地下鉄の駅で降り、改札口に向かう階段の下に
女性が一人座り込んでいた。

私は「貧血かな?」と思って
心配になって声をかけた。

振り返った女性はとても可愛くて
女優さんと言われても驚かない程
整った顔立ちだった。

服装もベージュのロングコートとブーツが可愛くて、
どこで買ってるかついつい聞きたくなってしまった。

ただ、コートにつつまれた体は
飛ばされてしまいそうなほど細くて
ロングブーツから出た脚は今にも折れそうだった。

そう思って改めて顔を見ると、
可愛いけど少し病的で血色が悪かった。

そんな彼女を支えながら階段を上り、
10分ほど休憩してたら
彼女も少しずつ元気になっていった。

彼女と解散して家に向かって歩いてる時、
彼女の今にも崩れてしまいそうな身体と脚を思い出した。

きっと彼女の痩せ方敵に
何かの病気か拒食症だったと思う。

それからも何度か駅で会う事があり、
少しだけおしゃべりする仲になった。

やっぱり彼女は拒食症だった。

そして、私の過去の事、彼女の拒食症の事、
彼女が何度も入院したり自宅療養したりいること。
いろいろ事情をお互いに明かした。

それでも彼女が健康的な体になることはなかった。
そしてどこかのタイミングで彼女を見る事は全くなくなってしまった。

彼女はまた入院してしまっているのか、
それとももっと遠いところに行ってしまったのか。

私には真実は分からないけど、
間違ったダイエットは人を壊してしまう事は知っている。

どうか、これを読んでくれているあなたは
そんな人生を送らないように生きてほしいと願っている。

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